彼女は末期癌です。
身体と心の痛みをコントロールするために鎮静剤を使い眠る彼女の傍らで、一緒に住んでいるお孫さん達が歌を歌ってあげています。
もう治療の術がなく、自宅に退院して3ヶ月が経過しました。
彼女は主婦です。
妻であり、お母さんであり、おばあちゃんです。
自分が食事ができない身体であるにもかかわらず、家族のために食事を作りました。
鎮痛剤の影響で眠気がある日も、家族のために洗濯をし、家族のスケジュールに気を配り、主婦としての役割を全うしようと頑張りました。
病状が進行し、彼女は主婦として家事を行うことはできなくなり、やがて昏睡状態となりました。
しかし、家族にとって彼女は、大切な大切な妻であり母であり祖母であることになんら変わりはなく、こうしてお孫さん達がそばで歌を歌い、動かぬ彼女の身体を抱きしめて「ばあば、おやすみ」と声をかけます。
自宅で最期を迎えるということは、家族の変わらぬ日常の中で、最期までその人らしく生きるということ。
私達はその生き様を最期まで支えられる存在でありたい。
お孫さん達が笑顔で歌っている姿をみて、あらためて強く心に誓いました。
訪問看護ステーション凛
所長 野上 陽子
黒田 藍 (木曜日, 27 10月 2016 21:40)
野上さんに出会えて、母も私たち家族も救われました。ありがとうございました。
子ども達、のまぎしぇんしぇは来る?!と会いたがっています。
葬儀でも、にじ 歌いたいと思います。
母らしく最期を迎えられて幸せだったと思います。
本当に、ありがとうございました。
江戸っ子陽子 (火曜日, 25 10月 2016)
おはようございます。
野上さんのブログ、拝見しました。
朝から泣かすなよ