ご家族の笑顔も大切

在宅看護の特長のひとつに、

 

「家族も看護の対象になる」

 

ことがあげられます。

 

在宅での療養生活は家庭の中で行われるため、介護するご家族の状況は利用者さんにとって影響の大きい環境要因となるからです。

 

ご家族が安心して介護できるために、私たち訪問看護師はご家族の健康状態や精神状態にも気を配ります。

 

介護不安はないか、あるとしたら具体的にどんなことかを伺います。

具体的なことがわかれば、それはもはや「不安」ではなく、チームにとっての「課題」となります。その課題を乗り越えるために対処方法をチームで一緒に考えます。

 

利用者さんにとって大切なご家族…そのご家族の笑顔が減ってしまっては、利用者さんも安心して療養できませんよね。

 

また、介護に一生懸命になればなるほど、ご家族は自分のことを後回しにしがちです。利用者さんのお薬は忘れずに飲ませるのに、自分の分は忘れてしまう事も多々あります。

脱水にならないように利用者さんにはこまめに水分摂取を促していても、自分は気がつけば半日水分を摂っていなかった、という事も良く耳にします。

 

だから、訪問した時にはご家族にも必ず声をかけます。そして利用者さんにも「自分が飲ませてもらった時は『お母さん（お父さん）も飲んだ？』と声かけてあげてね」と伝えます。そうする事で、利用者さんもまた、家庭で果たす役割を持つことにもなりますから。

 

相談したい思いでいっぱいのご家族は、ケアが終わるのを今か今かと待っています。

ときには「お父さんの事は適当でいいから一緒にお茶を飲みましょう！私の話を聞いて！」とおっしゃる奥さまもいらっしゃるくらい（笑）

 

手際良くケアを実施する事は、限られた訪問時間の中でご家族とお話しする余裕を作ることにもなります。

 

私たち訪問看護師はご家族の代わりはできません。だからこそ、ご家族の健康にも気を配るのです。それは、訪問看護の大切な役割のひとつです。

 

利用者さんとご家族が、安心して24時間365日の療養生活を送れるよう、本日も頑張ります！

 

訪問看護ステーション凛

所長　野上　陽子