夏が終わったと思ったら、秋はどこへ行ってしまったのでしょう。朝晩の空気がぐっと冷え、もう少しすると外に出るのが少し億劫に感じる季節になってきますね。寒くなるとどうしても動く機会が減り、体がこわばったり、転びやすくなったりします。そんなときこそ、「動く」ことを意識したいものです。
訪問リハビリは、ご自宅という“生活の現場”で行うリハビリテーションです。トイレ、キッチン、お風呂場、廊下や階段など、実際の生活空間での動作を練習できます。私たちは、「いつもの生活を、できるだけ自分らしく続けられるように」支援することを大切にしています。
私の父も理学療法士でした。
父がよく口にしていた言葉があります。
――「心が動けば、体も動く」
私は直接その言葉を聞いたことはありませんが、父の周囲の人から何度も耳にしました。理学療法士としての長い年月の中で、父が大切にしていた思いだったのだと思います。
「また歩けるようになりたい」「もう一度あの場所へ行きたい」「家族とごはんを囲みたい」――そんな想いが、人を前に進ませる力になることを、訪問リハの現場で日々感じます。
筋力トレーニングや歩行練習だけでなく、心の動きにも寄り添いながら、体も心も前へ動かせるように。
「心が動けば、体も動く」
寒い季節こそ、心を動かし、体を温め、一歩ずつ前へ進んでいきましょう。
理学療法士 髙橋


