訪問看護徒然日記_2025.12


訪問看護徒然日記

 

「おはよう」に

  込められし愛

     気付けずに

       「寂し悲し」と

          嘆く君かな

              ようこ

 

クリスマスやお正月になると

 

心の隙間(孤独感)を強く感じる方は多い

 

 

 

一昨年は大晦日の夜に

 

過剰服薬した利用者さんがいて

 

緊急対応し救急要請した

(大事に至ることはなく今はメンタル安定し頑張っている)

 

 

 

昨年のクリスマスは

 

別の双極性障害etc.の利用者さんから

 

「私なんてどうせ誰も気に留めてもらえないのよ

 

    皆私なんて死ねばいいと思ってる」

 

そんなLINEが入った

 

 

 

すぐ電話を入れる

 

気持ちを落ち着かせる頓服はすでに服用したとのお返事

 

「それは偉かったね」

 

まずはそう伝える

 

ご主人の転勤で別居中のため

 

クリスマスなどのイベント期間は

 

寂しさを強く感じるだろうと予測はしていた

 

だから気持ちが落ち着かなかったら

 

頓服を服用してから連絡するように伝えてあった

 

 

 

自分の置かれている状況を客観視することができないから

 

悲観的な思考に囚われてしまう

 

「クリスマスなのに彼から何の音沙汰もない」

 

その事実だけで

 

「私なんて死んだ方がいい」

 

そんな思考になってしまう

 

そしてご主人の気を引くために

 

私に送ったLINEと同じ内容をご主人にも送っているという

 

「考え方の癖」

 

それを修正していくことを

 

『認知を修正する』

 

と表現する

 

 

 

一年半の関わりで

 

「認知を修正して幸せになりたい」

 

彼女はそう願うようになっていたから

 

頓服による効果もあり

 

私の話に耳を傾けることができた

 

「彼はまだ仕事が忙しいのではないか

 

 そんな時に悲観的なLINEを受け取ったら彼はどう思うだろうか

 

 クリスマスを一緒に楽しみたい

 

 あなたはそう思うから彼から連絡がないことがとても悲しいんだよね?

 

 それならその悲観的なLINEは送信を取り消しして

 

 『クリスマスなのに忙しいの?お疲れさま

 

 家族のために働いてくれてありがとう』

 

 そんな内容を送ってみたらどう?

 

 彼も嬉しくなって忙しくてもお返事くれると思うな」

 

負の思考過程を修正するには

 

小さなことでも良いから「幸せな成功体験」を経験することが必要である

 

 

 

ご主人にもLINEで伝える

 

「寂しくなると『死』を振りかざされる

 

    毎度のことだから疲れて既読にもしていない」

 

ご主人からすぐそんな返信があった

 

「彼女の認知修正ができたので

 

    この後の彼女の好ましい行動には

 

    ご主人も好ましい対応をお願いします」

 

そう伝えて様子をみる

 

 

 

その後の彼女とご主人の報告では

 

彼女は負のLINEを取り消し別の内容のLINEを送ったそうだ

 

ご主人からはすぐ電話を入れ楽しく話したそう

 

彼女の小さな成功体験が増えて

 

よかったなと心から思う

 

 

 

きっと彼女は幸せになれる

 

私はそう信じて看護の視点での介入をこれからも続ける

 

いつか彼女が訪問看護を卒業する日まで

 訪問看護ステーション凛

所長 野上 陽子


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