北区に高齢者が多い理由

前回は北区の名所についてお話しさせて頂きました。

今回は、北区はなぜ高齢者が多い区になってしまったのかについてお話しします。

 

その理由の1つは都営住宅にあります。

 

現在、北区には13,000戸余りの都営住宅があり、23区では足立区(30,000戸余り)、江東区(20,000戸余り)に次いで3番目に多い戸数です。そのうち約4,000戸が桐ヶ丘地区にある桐ヶ丘アパートと桐ヶ丘一丁目アパートという団地です。

北区の都営住宅の特徴として、全体的に古くに建設された団地が多いという事です。それには歴史的な経緯があります。

現在の北区赤羽台団地
現在の北区赤羽台団地

戦前、都内最大の軍需地域として軍需工場と火薬倉庫が広くあった北区ですが、戦後にそうした跡地を活用するために都が再開発を進めました。昭和2710月に都が「グリーンハイツ都営住宅建設計画」として赤羽郷エリア再開発計画を発表し、昭和30年から桐ヶ丘地区の団地計画が始まりました。このため北区桐ヶ丘地区は都内で最初の大規模都営住宅地区となり、当時から60年以上たった現在では入居者の高齢化が生じています。

 

ちなみに、桐ヶ丘地区の団地と同じようなマンモス団地に板橋区の都営西台アパートと足立区の花畑アパートがありますが、両者は昭和40年代の建設であり、将来的には桐ヶ丘団地と同様の高齢化が見込まれます。

 

また、都営住宅に類似した集合住宅として、UR都市機構の賃貸住宅も北区内に約12,000戸あり、こちらも23区内では江東区と足立区に次いで3番目に多い戸数です。

 

これらの要因により、現在北区では高齢者が多く人口が減少している傾向にあります。北区の訪問看護ステーションとして、今後ぜひとも再び若い方が集まるような区になるための取り組みに、微力ながら貢献できたらいいなと思います。

 

訪問看護ステーション凛

理学療法士 南山 聡太郎

 

(参考:東京都都市整備局 都営住宅団地一覧 http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/juutaku_keiei/264-00toeidanchi.htm