自宅でのリハビリの様子

今回は、初回のリハビリ訪問で利用者さんのお宅に行ったときのお話です。

 

この方は腰椎ヘルニアの手術をし、自宅に退院されました。

ご本人からは「歩けない」との訴えがあり、自宅内では四つ這いで移動している状態ということで、訪問リハビリの依頼がありました。

 

最初は立つのが「怖い」と仰っていましたが、実際にその方の筋力・バランス等の能力を見て、立っていることは可能であると判断しました。私が声をかけて支えることで、少しずつ慣れていきました。自宅にあった杖で練習をし、杖歩行が可能となり、まずは日中にひとりで歩く自宅内の行動範囲を決めました。

 

寝室~居間~トイレを行動範囲とし、夜間は暗いこと、寝ぼけてふらつく可能性を考慮して歩行器をレンタル、歩行器を使用して歩くように環境設定をしました。さらに家事(調理)も行いたいとのことで、台所で作業する際にも歩行器を使用してもらうようにし、洗濯と掃除は主治医からの指示で禁止されているため、ヘルパーさん(訪問介護)にお願いすることとなりました。

 

心理面では、精神的に大きな不安を抱えています。今後どうなるのか、良くなるのか、悪くなるのか、同じ疾患でもその方によって症状も違いますし、今後の希望(目標)など利用者さんごとに考え方も違います。今回の方は「歩けない」と訴えていましたが「歩けない」のではなく、「歩く自信がない」「自分が歩けるのかわからない」などの意味だったのかもしれません。コミュニケーションをとることで、会話の中から色々な情報を得て、利用者さんそれぞれの思いを感じ取ることが必要であると考えています。

 

身体面では、その場で立ってもらったり、歩いてもらったり、筋力や関節がどこまで動かせるか、他にはバランス能力等を評価し、その上で本人の能力を伝えることや引き出すこと、そして今後の目標を決めることが重要です。たった数十分のリハビリでも、利用者さんにとって今日・明日・今後の日常生活に大きく影響することがあります。病院とは環境が異なる為、自宅に帰ってから不安なことも多いと思います。そのような状況で何かお役にたてることができれば嬉しく思います。

 

以上、訪問リハビリの一例でした。

ぜひみなさんに訪問リハビリに興味を持っていただけたら幸いです。

 

訪問看護ステーション凛

理学療法士 南山 聡太郎

 

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