毎日、利用者さんのお宅を訪問する中で、改めて「この仕事のここが好きなんだ」と感じる瞬間があります。
今回は「私の思う訪問看護の好きなところ」をお話したいと思います。
① 少しずつ信頼関係ができていくこと
がん末期で独居の男性の利用者さんがいらっしゃいました。
訪問看護の介入当初、明らかにお一人では十分にできていないのではないか、と感じていましたが、ご本人は「大丈夫です」「できます」と一言、二言。
時期的に、いずれ看護の手が必要になる状態でしたが、無理に聞き出したり、こちらから手を出しすぎたりすると、かえって信頼を損なってしまうこともあります。
そのため、相手のリズムに合わせて、少し見守るようにしていました。
相手の思いも受け止めながら、私たちの思いも伝える。
一方的にならないように、どうすれば気持ちを伝えられるか、悩んだことを覚えています。
介入そのものへの拒否はなかったため、何度も顔を合わせて覚えてもらい、少しずつこちらの思いを伝えていきました。
その積み重ねの中で、「実は転んでしまった」「ここが痛くなってきた」など、ご自身の気持ちを話してくれるようになりました。
SOSを出してくれたときは、とても嬉しかったのを覚えています。
② 日常の喜びを一緒に感じられること
利用者さんは、さまざまな疾患を抱えながらご自宅で過ごされていますので、まずはお体の状態をうかがいます。
お薬の管理や入浴介助など、病院で行うようなことを在宅でも行っています。
お体の状態についてのお話が中心にはなりますが、その中で
「孫とご飯を食べに行ってきたの」
「お嫁さんにネイルしてもらったの」
「〇〇まで歩けるようになったよ」
といった何気ない報告をいただくことがあります。
私は、その何気ない報告がとても嬉しいです。
そこから心身の状態がわかることもありますし、大切な情報の一つでもあります。
介入してすぐの頃は、なかなかそこまでお話しいただけないこともあります。
でも、何度か訪問し、同じ時間を過ごす中で、心を開いてくださる瞬間があります。
日常の喜びを共有できることは、在宅ならではの醍醐味なのかもしれません。
③ その人の人生にふれられること
何十年と過ごしてきた家には、思い出がたくさん詰まっています。
その方が送ってこられた生活や人生が、その空間の中にあふれています。
壁にかけてある絵や写真などから、
「旅行が好きなんだな」
「料理が好きなんだな」
「絵を描くのが趣味なんだな」
と知ることができます。
そうしたことを知れるのは、在宅ならではだと思います。
実際に話題にしてみると、とても素敵な表情で話してくださることが多いです。
先日、少し意識が鈍くなっていた利用者さんに、かつてのお仕事の話を投げかけたことがありました。
その瞬間、閉じていた目がパッ!!と開いたんです。
そのときだけは、少しキリッとした表情だったように感じました。
在宅では、今、目の前にいる利用者さんにしっかり向き合ってケアをすることができます。
たくさんの方と出会い、いろいろなお話をしながら、時には一緒に笑ったり、悩んだり、泣いたり。
いろいろな経験をさせていただく中で、やっぱり在宅が好きだな、と日々感じています。
これからも、お一人おひとりの人生に寄り添えるようなケアを大切にしていきたいと思っています。
以上、私が思う訪問看護の好きなところでした。
読んでいただき、ありがとうございました。
看護師 A.K


